パン生地のベンチタイム、二次発酵について

オーブンで二次発酵 お菓子作りtips

パン生地の二次発酵方法や見極めについて。
オーブントースター、ホットプレートで焼く場合の二次発酵についても。

マジカルキッチン料理のTips

パン生地作りや一次発酵についての記事です。

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成形パンを焼く基本手順
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パン生地は休み好き?発酵時間が必要

イーストを使ったパン生地作り、生地をこねたら次にすることは?
生地を温かい場所でねかせます。

寝かせた後のパン生地は、ふっくら膨らみます。(2倍程度になります)
この作業を一次発酵と言います。

一次発酵前は、生地を手に持つと冷たく重く感じます。
発酵後の生地は、不思議なほど軽くふっくらとした感じになっています。

一次発酵後、生地を丸めて並べたら、またひと休みタイムがあります。
5~15分くらい、室温においておきます。
これをベンチタイムと言います。

その後生地を成形し、二次発酵させます。(30~40分)(温かい場所で)
ここまで来たらあとは最後のおめかしをして焼くだけです。

このようにイーストを使うパン生地は休み好き。
しっかり休ませたり、ちょっとひと休みさせて作ります。

パンの種類や作り方によっては、ベンチタイムや二次発酵を省くこともあります。

ベンチタイムとは

一次発酵後の生地は、軽く打ち粉をふった台に取り出しガス抜きをして切り分けます。
軽く丸めてとじ目を下にして並べた生地を、ひとやすみさせます。
このひと休みの時間は「ベンチタイム」と呼ばれます。

ベンチタイム

画像はにんじんパンなので生地もにんじん色

ベンチタイムの役割

一次発酵後の生地は、小麦粉のグルテンによって固くしまった生地になります。

ベンチタイムの時間をとることで生地が回復し、その間発酵も進むので少しふっくらします。

ベンチタイム後

ベンチタイム後の生地です。

ゆるむことで、この後の成形作業で生地を扱いやすくなります。

ベンチタイムに必要な時間

総菜パン、丸パン、菓子パンあたりで10~15分が目安。

一次発酵の具合や室温、パンの種類によっても時間はかわってきます。

ベンチタイムを取った後は、成形し、クッキングシートを敷いた天板に並べます。

パンの種類によってはベンチタイムや二次発酵を省くパンもあります。
ピザも二次発酵を省くか短時間取る程度です。

天板にクッキングシートやオーブンシートを敷き、成形したパンを並べます。
丸パンの場合、とじ目を下に。

ベンチタイムの乾燥防止

そのまま生地を置いておくと乾燥するので、乾燥防止に上に何かかけておきます。

ラップをふんわりかけたり、固く絞った濡れ布巾。

ラップより便利なのが、切り開いたポリ袋
ラップよりもサラッとしていてくっつきません。

二次発酵後の生地はデリケートなので、くっつくと嫌ですよね。

ポリ袋をキッチンバサミで切って広げて使っています。

パン生地の二次発酵について

初めてのパン作りで迷うかもしれないこと。

パンレシピの手順でみかける
温かい場所に置いて二次発酵」
「35℃で30分で二次発酵」
(最終発酵と書いてある場合も)

それってどういう意味?って初めてなら思いますよね。

レンジ?オーブン?
予熱は必要?
35℃の設定なんて普段やったことないし、そもそもできるの?
自分のオーブンレンジには、そんな温度の設定がないんだけど。

温かい場所って?
いったいどこに置けばいいの?
何をどうやって35℃にするの?

そもそも二次発酵ってなに?
面倒だから省いてもいい?

オーブンで二次発酵

にんじんパンの二次発酵の様子です。

パンの種類にもよりますが、パン生地は成形後、すぐに焼くのではなく二次発酵の時間をとります。
成形時よりも、さらにふっくら膨らませてから焼き上げます。

ただしパン生地は最後の焼く段階でも、膨らみます。
なので二次発酵の段階では、余力を残し最大まで膨らませないのがコツ。

二次発酵を忘れると食べられないほどまずいパンになるのか?
と言うと、そこまではなりません。
でも二次発酵させると口当たりふくらみがよくなります。

30℃から40℃程度の温かい場所で二次発酵させます。
30分から1時間程度かかります。
温度や湿度によって、発酵にかかる時間はかわってきます。

レシピの時間は目安、1.5~2倍に膨らめばOKなので
時間が来る前でもいい感じに膨らめばストップ
ふくらみが足りなければもう少し長く待ちます
時間にとらわれず膨らみ具合で判断します。

夏場は室温でも発酵します。
直射日光が当たる場所、乾燥した場所は避けます。

仕上げに溶き卵を塗る

発酵後はパンの種類により仕上げ作業をします。
ナイフで切れ目を入れたり粉をふったり、照り出し用の卵を塗ったりすることも。

はさみで切れ込みを入れる

二次発酵後、ハサミで切れ込みを十字に入れたパン

仕上げ作業が終われば、予熱しておいたオーブンの中に入れて焼き上げます。

二次発酵の方法、オーブン、それ以外

二次発酵に適した場所は、温かく、乾燥しない場所。
パン生地を並べた天板を置いておきます。
(ホットプレートで焼く際は、天板使わずに直接ホットプレートに並べ二次発酵)

室温が高い時期は部屋に置いておくだけで発酵します。

その場合、乾燥させないように気をつけます。
(詳しくは乾燥防止法の所に)

一番手軽なのはオーブンの発酵機能を使うこと。
たいていのオーブンに発酵機能があるのでそれを利用します。

パン生地を発酵させるモードがついたオーブンは多いです。
オーブンの説明書や付属のレシピ本を参考にしてください。
(使用オーブンのホームページから説明書を確認できるメーカーも多いです)

オーブンボタン二度押しで発酵モード等、オーブンによっていろいろです。

発酵機能がついていない場合でも庫内を温め、器に湯を入れたものを置けばOK

オーブンを使わない方法の場合も湯を活用します。
ビニール袋を活用する方法は高さの確保が少し不便なのと温度が上がりにくい問題があります。
衣装ケースや発泡スチロールの箱を活用する場合は、天板が入る器を見つける工夫が必要になります。

天板1枚の場合はなんとかなりますが。
天板2枚の場合は場所をとるので、大変なんですよね。

オーブンレンジに発酵機能がない場合のオーブンでの二次発酵の方法

オーブンに発酵モードはないけれど、オーブンを使って発酵させる方法です。
オーブンは事前に温めておきます。
スイッチを切り。
庫内に湯とパン生地をのせた天板を入れて発酵させます。

たとえば、オーブンの加熱温度が最低温度100℃のオーブンの場合
庫内に天板は入れず、100℃に設定します。
温度が設定温度に上がってから1分後スイッチを切ります。
(時間はオーブンの機種による)

庫内に手を入れると生暖かいくらいの温度にします。
40℃くらいが適温。
アチアチな温度は熱すぎなので、少し冷ましてから天板を入れます。

湯はどんぶりに入れるか。
小鍋で沸かした湯を鍋ごと入れる。

二次発酵の間、扉の開け閉めを繰り返すと温度が下がります。

オーブンを使わず、お湯とビニールを活用して二次発酵

オーブンを使わない場合の二次発酵の方法です。

ビニール袋やビニールシートを使う方法。
袋内に高さのあるコップ4個を天板の四方に置き、高さを確保します。
天板を入れ、周りに熱湯を入れたマグカップやどんぶりを入れます。
すべてを大きなビニール袋に入れて置いておく方法です。

お湯は冷めたら熱いお湯にかえます。

この方法の場合、室温が低い時は、30℃まで温度が上がりません。
天板の底部分に湯を入れたボウルや洗面器を置く等した方がよさそうです。

オーブンを使わず発泡スチロールの箱で二次発酵

ビニール袋のかわりに、プラスティックの衣装ケースや発泡スチロールの箱を活用する方法。
湯を入れたマグカップと天板を入れます。
フタをして使います。

天板が入るサイズの発泡スチロールの箱を用意するのが一番大変かも。
(ホームセンターに置いてありました、田舎のホームセンターの方があるかも)

発泡スチロールの箱は断熱性が高く、保温力があるので発酵に適しています。
過発酵には注意。

開け閉めを頻繁にすると温度が下がるので最小限に。

オーブントースターで焼く場合の二次発酵

オーブントースターでパンを焼くときは、二次発酵もオーブントースターを使っています。

オーブントースター1000wを40秒程度温めておいた中に生地を並べた天板を入れて発酵させます。
もし庫内が冷めた場合は天板を取り出し再度庫内を短時間温め天板を入れます。

ラップやビニールをかけたものが熱したヒーターや庫内に当たると危険です。
ラップ等をかぶせた場合は、必ずスイッチを切って、パン生地を入れます。

オーブントースターも色々機種があるので、お使いのトースターで調整してください。
最近は温度調節やスチーム、発酵機能つきのオーブントースターもあります。

マジカルキッチン料理レシピ

フライパン、ホットプレートで焼く場合の二次発酵

フライパンやホットプレートに薄く油をひき、フライパンやホットプレートを温めます。
パン生地を並べます。フタをして二次発酵させます。

フライパンの場合はフライパンごと温かい場所においてもいいかもしれません。

手を入れてもわ~っと温かければOK

ラップ等はかぶせなくても大丈夫ですが
生地が乾燥するようなら、霧吹きで軽く水をふきます。

ホットプレートの中が冷めたら再度短時間スイッチを入れて温めます。

二次発酵の見極め

成形後二次発酵前

成形後の生地、二次発酵前の生地です
隣同士間隔をあけて並べました

二次発酵後

二次発酵後の生地です。
発酵後膨らんで隣同士くっついてしまったパン生地も

もっと上手に間隔をあけて並べればよかった!
2段で焼けば余裕があるんですけどね。

写真はキャロットテーブルロールです。

キャロットテーブルロール
かわいい四つ葉の形のにんじんパンは、すりおろしニンジン入り。もちろん中もにんじん色、ふんわりした食感のパンです。

二次発酵後の生地は1.5~2倍の大きさに膨らみます。
ふっくらしています。
この見た目で発酵加減が大体わかります。

レシピの二次発酵の時間は目安です。
時間がきても、見た目発酵不足なら、時間を延長します。

生地の弾力は以前よりも減ります。
(生地をこねていた時や一次発酵後のモチっとした感じや弾力ではなくなります)
そしてデリケートになるので、仕上げの作業でいじりすぎないようにします。

発酵加減が分からないときは、指でそ~っと押してみます。
指の跡が少し残る状態やゆっくり戻るくらいなら二次発酵終了です。
弾力が強い場合は発酵不足。
(丸パン、ちぎりパン、総菜パン系の生地の場合)
目立つ場所以外押した方がいいです

発酵の時間が長すぎた、温度が高すぎた→発酵し過ぎの状態に

発酵させ過ぎた場合は、生地がよぼよぼ。
シワシワ、さらにひどいとしぼんだりします。

匂いもおかしくなります。

二次発酵が完了したかどうか、初めてパンを作る時はイマイチわかりにくいかもしれません。
でも、何度か作るうちに必ずわかります。

過発酵した場合、ギリギリいけそうなら、仕上げ作業なしでいじらず焼いてしまいます。
かなり生地が弱っている場合は、あきらめて、平たくしてピザ等にします。

マジカルキッチン料理レシピ

ベルメゾンネット

二次発酵時の乾燥防止法

パン生地を二次発酵させるとき、乾燥させないようにします。

夏場等室温に出して場合、上に何かをふんわりかぶせておきます。
ラップよりもくっつきにくい、ポリ袋がおススメ。
切り開いて大きくしたものをかけておきます。

オーブンの場合、熱湯を入れたマグカップ等を庫内におき乾燥を防ぎます。

オーブンによってはスチーム機能を利用する機種もあります。

オーブンで二次発酵

使用しているシャープのオーブンレンジでは、何もかぶせていません。
発酵の際、スチームカップに水を入れたものを庫内に置いています。
水蒸気を出し、庫内が温かくしっとりした状態になります。

と言っても、上の画像を見てわかる通り。
ただ耐熱器に水を入れてるだけの単純な仕組みです。
(予湿メニュー等の機能はありますが)

具体的には以下の手順です。(付属の説明書、レシピブックによる)

事前にスチーム予湿をしておいた庫内に天板を入れます。
二次発酵はオーブンの発酵機能を活用
熱風オーブン→予熱なし発酵(時間、温度は調整できる)
予湿後スチームカップはそのまま庫内に入れておきます。

途中生地が乾けば、霧をふく。

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失敗の原因、パン作りのプロセスのそれぞれの意味などなど。
根本から理解できるのが面白い本です。

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