河原や野原、道端にも生える野草「よもぎ」
ちぎって揉んでみるとスーッとする香り。
遥か昔からよもぎは、邪気を払うと信じられてきました。
現代の私達の生活にも草団子やハーブとして親しまれています。
春を感じるよもぎを摘んで暮らしに活用してみませんか。
初めてよもぎを摘む時は疑問が色々。
アク抜きには重曹を使う? 保存はどうするの?
草餅、草団子にするには、上新粉?白玉粉?などなど。
今回のマジカルキッチン料理、お菓子のTipsでは。
よもぎに関するアレコレをお届けします。
よもぎの栄養
よもぎは β-カロテンが豊富、 緑黄色野菜に分類されます。
カルシウム、鉄分が含まれるため、昔から女性の貧血によいとされてきました。
食物繊維、カリウムなども含まれ栄養豊富な野草です。
またあの独特の香りの成分にも効能があります。
よもぎが昔から薬草として重宝されてきたのには理由があったのです。
よもぎを摘む場所
![よもぎ](https://magicalkitchen.com/wp-content/uploads/2019/05/yomogi-01-800x600.webp)
土のある場所どこにでも雑草のように生えているたくましい野草よもぎ。
なんでもない道路の端に生えていることも。
食べるためのよもぎはどんな場所で摘んだらいいのでしょうか?
せっかくのよもぎ摘み、なんと言っても、安心安全な場所が一番です。
- 消毒薬、除草剤等が撒かれない場所
- ワンちゃんの散歩道でない場所
- 排気ガス等が心配なため、車通りが多い道沿いは避ける
- 私有地等他人の土地には入らない
消毒薬は公園の樹木に散布されることもあります。
田んぼのあぜ道も意外と。
駐車場は意外と除草剤が撒かれる可能性があるんですよ。
作業をしている人をたまに見かけます。
なので地元でよく知っている場所や人に尋ねられる場所の方がいいかもしれません。
よもぎ摘みの季節
食べるためのよもぎは、春に出る柔らかい若い芽を摘みます。
上の方の部分です。
よもぎ摘みは春の風物詩。
3月から5月上旬がよもぎ摘みの季節です。
出始めの頃よりもある程度育ってからの方が香りが強めになります。
この時期のよもぎは、柔らかくアクも少なめ。
摘んできたよもぎは、洗って炒めものや天ぷらに活用できます。
![簡単草だんご](https://magicalkitchen.com/wp-content/uploads/2000/04/kantankusadango-800x600.webp)
茹でて使うなら、草餅、草団子に適しています。
焼き菓子にも使えます。
塩を加えた湯でさっと茹でて冷水にとればOKです。
ゆでて冷水にとることでアクが抜けます。
と言ってもゆですぎたり水につけすぎると栄養も出てしまうので要注意。
以前は春の柔らかいよもぎを茹でるのにも重曹を使っていたのですが。
結局使わなくても大丈夫でした。
色、柔らかさ、アク等、満足のいく茹で上がりです。
春も終わりのころや触ってみて固い場合は重曹を入れてゆでてください。
5月になると気温が上がってきます。
場所によっては、よもぎの背が伸び葉が固くなるものも出てきます。
柔らかいよもぎが生えている場所を探します。
夏場のよもぎは背が高くなり葉が固くなります。
お茶やお風呂に入れるには夏のよもぎで構いません。
夏場のよもぎは、株ごと採って干しよもぎにするといいですね。
よもぎの摘み方
摘むよもぎは、緑色の濃いものを。
手にとって揉んでみると独特の香りがあるのがよもぎです。
あの草餅の香りがするのですぐわかります
![よもぎの葉](https://magicalkitchen.com/wp-content/uploads/2019/05/yomogi-02-800x600.webp)
そしてよもぎの葉の裏は白くなっています。
白い部分は毛。産毛のような毛が生えてます。
ちなみにお灸に使う「もぐさ」は、このよもぎの白い毛の部分を集めて作られます。
よもぎを摘むときは、色が茶色や黄色になっている葉は採らないようにします。
虫のついていない葉を摘みます。
(てんとう虫くらいならかわいいんですが)
草団子など食用にするよもぎは、下の方ではなくて上の方の若芽を摘み取ります。
触ってみると柔らかいです。
茎は固いのでなるべく葉の部分を摘みます。
夏場のよもぎを干す場合は、株ごと刈って干しても大丈夫です。
よもぎを茹でて食べる方法
「よもぎを茹でて食べる際の流れ」を説明します。
よもぎの茎などをとる→洗う→湯がく→冷水にとる→細かくする
ここまでやっておけば、後はこのよもぎの素を使って草団子や蒸しパンが作れます。
一度に多めに作って冷凍保存もできます。
- よもぎは汚れた部分や固い茎を取り除きます。
- 春の柔らかいよもぎを使う場合は、たっぷりの熱湯に塩小さじ1/2程度を加えます。
- 少し固いよもぎを使う場合は、熱湯に重曹を加えて茹でると柔らかくなります。
- 1~2分程度茹でて、すぐに冷水を入れたボウルに取ります。
- 数回水を変え冷ましてザルに上げ、水気をしっかり手で絞ります。
- よもぎを包丁で刻み、すり鉢に入れて擦って細かくします。
- すり鉢でする作業は、フードプロセッサーを使うと簡単です。
茹で過ぎたり、水にさらしすぎると、よもぎの有効成分まで流れ出てしまうので気をつけます。
茹でたよもぎを細かくする作業は、フードプロセッサーを使うと簡単です。
ミキサー、ハンドブレンダーでも可能
ミキサーやハンドブレンダーを使ってもできます。
ミキサー・ハンドブレンダーの場合は、水分がないと回りません。
水分を加えてミキサーにかけます。
お菓子作りに使う場合なら、水や牛乳、卵などと一緒にミキサーにかけます。
よもぎの下ごしらえ方法を写真で説明
![よもぎをゆでる](https://magicalkitchen.com/wp-content/uploads/2019/05/yomogi-03-800x600.webp)
洗って水けを切ったよもぎを塩を加えた熱湯でさっと茹でます。
採ってきたらすぐに下ごしらえしたほうがいいのですが。
その日にできないときはビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存。
2日程度は持ちます。
![よもぎを冷水にとる](https://magicalkitchen.com/wp-content/uploads/2019/05/yomogi-04-800x600.webp)
よもぎは冷水にとります。何度か水をかえます。
そのあと水けを切り、しっかりと水気を絞ります。
包丁でざっと刻みます。
![フードプロセッサーにかける](https://magicalkitchen.com/wp-content/uploads/2019/05/yomogi-05-800x600.webp)
これからフードプロセッサーにかけてもっと細かくします。
もしフードプロセッサーが空回りしたときは。
スイッチを止めて、全体をほぐしてやります。
(量が多すぎる場合は、量を減らす)
![細かくなったよもぎ](https://magicalkitchen.com/wp-content/uploads/2019/05/yomogi-06-800x600.webp)
フードプロセッサーを使って細かくしたよもぎです。
この段階で、草餅などに使えます。
まだ粗く繊維が見えますが、食べると気になりません。
冷凍保存もできます。
すぐに使わない場合は、密封容器に入れて冷蔵保存。
マジカルキッチン動画
よもぎを使ったお菓子と料理
よもぎは別名「餅草(もちぐさ)」とも呼ばれます。
この餅とは、もちろん草餅や大福の餅のこと。
草団子やよもぎ大福、よもぎ蒸しパン、よもぎのお饅頭、どれもいいですね。
洋風なら焼き菓子もいいですよ。
パウンドケーキにマフィン、シフォンケーキもいいですね。
茹でて刻んで擦ったものを、小麦粉に混ぜて使います。
小豆や甘納豆をトッピングしたよもぎマフィンもいいですね。
よもぎを使ったお菓子は、色はグリーンでこれまた春らしく。
香りもスーッとした春の香りがするおやつに。
よもぎは乳製品と相性がいいと聞いたこともあるので。
よもぎアイスなどもいいかもしれません。
茹でたよもぎは、おかずにするなら、胡麻和えやおひたし。
冷奴の上に乗せて食べるのも好きです。
細かくしたよもぎでペースト状の調味料もできます。
一番簡単な草団子の作り方
ここでは一番簡単な草団子の作り方をちょっと紹介。
よもぎの和菓子。
草団子、大福どっちがカンタン?
もちろんお団子のほうが簡単です。
大福はやっぱりあんを包む作業が大変なんですよねぇ。
お団子ならあんは添えるだけ。
包まなくていいし、だんご粉を使えば簡単にモチモチのお団子が作れます。
お団子は蒸して作る方法もありますが、茹でて作ると簡単。
香り高いよもぎのお団子に、あんこを添えてきな粉をかけて召し上がれ。
マジカルキッチンお菓子レシピ
![](https://magicalkitchen.com/wp-content/uploads/2000/04/kantankusadango-320x240.webp)
摘んできたよもぎをゆでて作ります。お豆腐入りで冷めても柔らかタイプのお団子です。
団子粉に水、上で作った茹でて刻んで擦ったよもぎを加えてなめらかになるまで混ぜます。
丸めたお団子をグラグラ煮立った熱湯に入れます。
しばらくすると浮かんでくるので、さらに2分ほど茹で、冷水の入ったボウルにとります。
水洗いして水気を切り、器に盛り、あんを添えます。
水を加えるかわりに豆腐を加えたものもおすすめです。
水を一滴も使わずに作れます。
冷めても柔らかいのが特徴です。
豆腐のタンパク質が取れるのもいいですね。
自作のよもぎは、少し粗いように見えますが、お団子にして口にすると、繊維等口に残らずなめらかです。
よもぎの保存、冷凍・干し葉・よもぎ粉
よもぎが採れる季節にたくさん収穫して保存すれば、よもぎの採れない時期も使えます。
よもぎの保存方法はゆでて冷凍、干す、干したものを粉にするの3種類あります。
よもぎを茹でて冷凍する場合
ゆでて刻んだものを、小分けにしてジッパー付きの冷凍保存袋に入れておくと便利。
草団子を作る場合、粉100gで40~50g程度の茹でよもぎが必要になります。
![よもぎはビニール袋に入れて冷凍](https://magicalkitchen.com/wp-content/uploads/2019/05/yomogi07.jpg)
よもぎの葉を干す場合
洗って水気を切り、2,3日外に干します。
一日は日に当てて、2日目からは影干し。
夜は部屋の中にしまいます。
よもぎの葉が乾いてくると重さが軽くなって、風に吹かれて飛んでいくことも。
風のある日は気をつけてください。
パリパリに乾燥したらできあがり。
干したものは、よもぎ茶、お風呂に入れるよもぎとして使えます。
干しよもぎの保存は、密封できる瓶に入れて保存。
乾燥剤を一緒に入れておきます。
下で紹介する蒸して干す方法だと色がきれいになります。
よもぎパウダーの作り方
よもぎは洗って水気を切ります。
蒸気の上がった蒸し器で50秒ほど短時間蒸します。
蒸したものはすぐにザルに広げます。外に干して乾燥させます。
上の干しよもぎの干し方と同じです。
茹でたものを干してもいいのですが、蒸したほうが栄養の流失が少なくなります。
干したものはミルやミキサーを使って粉にします。
乾燥よもぎパウダーのできあがりです。
よもぎの粉は市販の物も使いやすいので、時々こちらも使っています。
ヨモギの使い道、よもぎチンキ
よもぎの使い道は、食べるだけではありません。
よもぎの薬効を活用して、チンキ作りに。
よもぎチンキは、お酒(アルコール度数の高いホワイトリカーやウォッカなど)によもぎの生葉または乾燥よもぎを漬け込んだもの。(漬けた後濾して使います)
他にもハーブで作ったハーブチンキもあります。
日本のハーブドクダミでドクダミチンキ。
ミントで作ればミントチンキに。
びわの葉で作ればびわの葉チンキに。
虫刺されやかゆみ止めとして塗ったり、化粧品を作ったり。
飲み薬代わりに使います。
ヨモギの使い道、よもぎ茶
よもぎ茶はノンカフェイン。
乾燥よもぎを使ったり煮出したりする方法もあります。
一番簡単なのが、生のよもぎをポットに入れて作る方法です。
たっぷりめに摘んだよもぎを洗ってポットに入れて熱湯を注いで3分蒸らします。
カップに注げばよもぎ茶に。
ポットに入れる前によもぎを手で揉むとより香りが出ます。
乾燥させたよもぎを使う場合はお茶パックに入れて作ると後が楽です。
よもぎをおかずやご飯に
草餅やよもぎ蒸しパンもいいけれど、甘くないよもぎの食べ方もいいですよね。
天ぷら、炒めもはいかがでしょうか。
春の柔らかいよもぎなら、洗ってそのまま作れます。
地方によってはよもぎをご飯に加えるそうです。
さっと茹でたよもぎは、おひたし、胡麻和えに。
マジカルキッチン一押しは、よもぎの雑炊。
洗って細かく刻んで火にかけた鍋に加えます。
梅干しを加えるとよもぎの匂いが気にならなくなるので、よもぎの匂いが苦手な人も大丈夫かもしれません。
野草を摘んで食べる本
道に生えている野草や雑草、食べられるものが多いとは聞くけれど。
よくわからない、なんて時は本を片手に散策してみませんか。
野草を摘んだ後の食べ方も教えてくれます。