土筆の下ごしらえと土筆レシピ

つくしの下ごしらえとつくし料理のまとめ 料理のtips
春の味土筆、採り方、下処理、冷凍、苦味をマイルドにする調理法、土筆レシピ紹介

春になったら顔を出す【土筆つくし】
季節のはじめは、にょきっと頭を出し、はかまばかりの小さなつくし。
温かくなるにつれ、グングンと茎が伸びて立派な土筆に。

春の野原でつくし採りの後は【はかま】をとってつくし料理を。
指や爪が茶色く汚れてしまうけれど。
美味しい春の味が食べたくて、ついつい毎年がんばってしまいます。

初めてつくしを採る場合、採った後迷うのが下ごしらえ。
ゆでる?あく抜きに重曹が必要?
つくしの下処理の方法も書きました。

今回のマジカルキッチン料理のTipsでは、つくしのとり方、下処理法。
つくしの苦味をマイルドにやわらげる調理法。
おすすめ【つくし料理レシピ】のまとめを紹介します。

マジカルキッチン動画

つくし採り、下ごしらえ、つくしご飯を動画にまとめました。

広告

つくし一言Q&Aまとめ

この春つくしデビューな初心者さんには疑問が色々。
つくしに関する疑問と答えを一言にまとめました。

Q
つくしが採れる時期って?
A

一般的に桜の咲く前(2週間程度前)から桜が咲いた少し後くらいまで。
寒い日もあれば温かい日もあるそんな春の気候の頃です。

Q
つくしは、スギナの子?成長するとスギナになる?
A

茶色いつくしと緑のスギナ。
同じ植物で、地下でつながっています。

しかし、つくしが成長するとスギナになるわけではありません。
つくしは、頭を出して大きくなって、緑の胞子を飛ばした後に枯れます。
つくしはスギナの胞子茎にあたります。

つくしと同じ地下茎にあるスギナは栄養茎と呼ばれます。
つくしが終わるころに、今度はスギナが出て光合成をおこないます。

Q
つくしってどの部分を食べるの?頭?茎部分?
A

はかま部分(節についているヒラヒラしたもの)以外の頭部分、茎部分両方食べます。
栄養や苦味は頭部分にあります。

Q
つくしってあく抜きしないと食べられない?
A

つくしは山菜の一種。
アクがあるので、ゆでてあく抜きして食べてください。

天ぷらにする場合は、ゆでずに揚げます。

Q
つくしのあく抜きの仕方を教えて
A

塩少々を加えた熱湯で短時間(30秒程度)ゆでます。
すぐに冷水にとります。

ゆでた後おひたしにする場合は10秒ほど長めに。
ゆで終わったらすぐに冷水にとることであくが抜けます。

Q
つくしの【はかま】ってとらないとダメ?
A

食感が悪いのでとります。

はかまをむしって取るのが面倒な時は、ハサミで切り落とすと少しは楽です。

Q
つくしのあの緑の粉粉は何?まさかカビ?
A

なんだか怪しいあの土筆の緑の粉の正体は、土筆の胞子。
土筆の苦みの素です。

Q
つくしの苦みをマイルドにする方法は?
A

ある程度の苦みは、春の味ですが、どうしても苦手な方はこれら3つの対策をお試しください。

「土筆の苦みをどうにかする対策その1」
頭の開いたつくしを使うと苦くありません。(緑の胞子が落ちているから)

「土筆の苦みをどうにかする対策その2」
もう一つはアク抜き作業を長めに取ること。
ゆでた後、冷水につける時間を長くする。
回数を増やす事でも(緑の胞子が落ちて)苦味が減ります。

「土筆の苦みをどうにかする対策その3」
つくしの調理法、組み合わせる食材でも苦味がマイルドになります。

  • 卵、肉等のたんぱく質と組み合わせる。
  • 油を使う
  • うま味のある食材(かつお節など)を使う。
  • すりゴマを使う

定番の卵とじもいい組み合わせ。

卵を加える前に油で炒めることもポイントです。

Q
つくしの食べすぎって?
A

春の山菜はほどほどならば、体にいいのですが。どんな食べ物も食べすぎると毒になります。

つくしの場合は、食物繊維が豊富なので、食べすぎると胃腸にきます。 ゆでてアクを抜いてから食べるので、大量摂取せず普通におかずとして食べる程度なら心配ありません。

生食はしないこと、加熱して食べます。

Q
つくしが大量に採れて消費に困ってます
A

つくしの佃煮はいかが?
これならたくさんつくしを使えます。
冷凍保存も可能。

和風味に飽きた時は、にんにく風味で和えたり、炒めると新鮮味がでます。
(もやし料理を参考にするとアイディアが浮かびます。)

Q
つくし料理、一度にたくさん作って余りました、保存は?
A

つくし料理の保存は冷凍がおすすめです。
食べる分ずつ小分けにして冷凍。

毎年作っているのが
つくしの混ぜご飯、お寿司の素。(つくしとにんじんや油揚げ等を炒め煮にする)
つくしの佃煮

ただし、こんにゃくや白滝は冷凍すると食感がかわります。

広告

つくしの栄養

つくしって雑草っぽいけど、栄養あるんでしょうか?
いえいえそれが、あるんです。

食物繊維、葉酸、βカロテン、ビタミン等、うれしい栄養が色々。
ビタミンでは特にビタミンEが多く含まれます。

反面毒性として、つくしに含まれる【チアミナーゼ】があげられます。
多量に摂取するとビタミンB1欠乏症を引き起こす作用が知られています。

チアミナーゼは特に珍しいものではなく、一部の魚介類、わらび等にも含まれるものです。
このチアミナーゼは加熱することでビタミンB1を破壊する作用が失われます。
健康に問題のない人の場合、生のものを多量に食さなければ特に問題はありません。

イカやタコを犬や猫に食べさせるといけないというのも。
このチアミナーゼとビタミンB1欠乏症が関係します。

つくし採りの時期

つくし採り

つくしが生えてくるのは春のいつごろ?
日本列島南北に広がっているので一概には言えません。
その年によっても違います。

まだ肌寒い日があったり、ポカポカ陽気だったり。
三寒四温で春がすすんでいく頃。

スーパーの野菜売り場や産直市でパックのつくしが売られているのを見ると。
あ、そろそろだと。
近所のつくし採りの場所に見に行ってます。

桜の咲く前の2週間程度前から咲いた後ちょっとの間が大体の時期です。
初めの頃は日当たりのいい場所のつくしが出てきます。
まだ小さく、短い土筆が多いかもしれません。

だんだんと時期が過ぎてくると、日当たりのいい場所は開いた土筆が多くなってきます。
日陰の場所、草むらの中にいいつくしが伸びてきます。
長い土筆も多くなってきます。

2023年も温かくなるのが早かった!
毎年つくし採りに行く場所。
年々、採る人が減っているのはわかっていたけれど。
今年はとうとう、ひっそりした野原でした。

2020年暖冬だとやっぱり早いですね。
2021年はさらに早くて、ここ数年で一番の早さでした。
3月上旬、まだだろうなぁと思いつつ散歩していると、土筆を発見。
今年は桜の開花も早いそうです。

2022年は三月中旬でした。
コンクリートの道端(少し土がある)にも土筆を発見。
こんな場所でもたくましく顔を出すんだなぁと感心しました。

土筆のとれる場所

つくしって、どこに生えているんでしょう?
生えている可能性がある場所をあげてみます。
意外と身近な場所にあるかもしれませんよ。

  • 去年生えていた場所
  • スギナが生えている場所(必ずつくしが出るわけでもない)
  • 日向~半日陰
  • 丘、土手、田んぼや畑のあぜ道
  • 公園、緑地、原っぱ

日向から半日陰の場所がつくしの好む場所。
湿っぽい場所に生える場合もあれば、乾燥した場所に生えることもあります。

つくしは、毎年同じところに生える傾向があります。
一度見つけた場所は覚えておくといいですよ。

そして、1本見つけることが出来たら、周辺に固まって生えています。

原っぱは、背の高い雑草がうっそうと生い茂る場所よりも。
ある程度人の手が入っている方が、とりやすいです。

スギナが生えている場所

緑のスギナが生えている様子です。

土筆の探し方

視力にもよりますが、高い位置から探してもよく見えません。
腰を下ろして、地面に近い位置で。
じーっと見ていると、あったあった!っと見つかりますよ。

1本見つかると周辺に固まって生えているので。
じっくり探してみてください。

つくしが余り生えない場所、採るのに適さない場所

  • 犬の散歩道
  • うっそうと木が生い茂る山の中
  • 背の高い草等が多く生えている一日中日陰な場所(半日陰程度なら生える)
  • 消毒、除草剤、農薬がまかれる場所
  • 立ち入り禁止の場所

土筆を見かける場所。日当たりがいい場所、半日陰の場所。

乾燥した土地、じめじめした土地は関係ないかも。
湿った場所にも乾燥した場所でもみかけます。

ただ、荒地では見かけません。
ある程度肥えた土地がよいようです。

除草剤、農薬がまかれるか、まかれないかは、普段から通る場所でないとなかなかわかりにくいですね。
なのでつくし採りは普段の生活圏内。
あるいは、地元の人、知り合いに尋ねることができるような場所がよさそうです。

つくし採りの注意点

どうせなら、いいお天気の日にのんびりと採りたいもの。
ですが、つくしの季節は何かと天候も不安定。
雨が降ることも多いです。

  • 衣服は肌を露出させないものを(マダニ等が心配なため)
  • 雨が降った次の日はぬかるんでいることもある
  • 雨の後は伸びるスピードが速い

雨が降った次の日は、地面がぬかるんでいることもあるので気を付けてください。
また、つくしは雨降りの後、成長がぐんぐん早いです。

いつ行こうかなぁ、そのうち行こう。
なんてのんびりしていると時期を逃してしまうかも。

時期が遅いと成長しすぎて頭の開いたおじいちゃんになった土筆が多いかもしれません。
時期が遅い場合は、日陰や草むらの中を探すと、いい土筆がみつかりますよ。

こんなつくしを採ってみよう

はじめてのつくし採り、どんな土筆を採ればいいのかわからない。
なんてことはありませんか?

基本的に、ある程度茎が太目で背の高い、長いものを採ります。

長いものの方が、はかま取りがぐんと楽です。

そして、頭が緑色のものを。

上の画像のつくしはまだシーズン初めで短め。

採るときはなるべく下の方から、折るようにして採ります。

頭の部分が開いてパサパサ、白っぽくなったものはおじいちゃん土筆です。
緑色の胞子が飛んで行ってます。

おじいちゃん土筆
  • 太いつくし
  • 長さのある長いつくし
  • 特に節と節の間が長い土筆(袴だらけの土筆はとるのが大変)
  • おじいさんになっていない土筆(開いて白っぽくなっていないもの)

このおじいちゃん土筆は、食べられないというわけではありません。

土筆独特の味であるあの苦味は飛んでいます。
苦味が苦手な人は、この土筆の方が好きかもしれません。

土筆のとれる量が少ない時は、この開いた土筆もとって、頭を落として茎の部分だけ使ったりもします。
頭が開いた土筆の方が、茎が長くて、伸びています。

そして、もう一つ、はかまの多い土筆について。
土筆の頭、はかま、はかま、はかま。
こんな感じではかまの間隔が短いつくしもあります。

まだつくしが季節の最初、出始めの頃に多いです。

茎の短い土筆、長い土筆

はかまばかりだと、はかま取りが大変。

出始めの頃を過ぎると、だんだん立派なつくしに成長します。

広告

土筆の下処理(はかま取りからゆで方)

採ってきた土筆の下処理。
初めて作る場合、ゆでるの?重曹入れたりするの?
なんてよくわからなかったりしますよね。
ここでは、つくしの下処理、はかま取りからゆで方、保存法まで紹介します。

とるのは楽しいけど、はかまとりの作業は大変。
頑張っていきましょう。

つくしの下処理、あく抜きの基本作業は主に2つ。
はかまとり、ゆでて冷水につける作業になります。

  1. 【はかまとり】土筆ははかまをとって、適当に数センチ~5センチくらいの長さに折りながら(食べやすいように)、水を張ったボウルに入れていく。
  2. 【ゆでて冷水につける】塩を加えたたっぷりの熱湯でさっとゆでる。
    ボウルの冷水につける。その後、ザルにあげ、水気を切ります。

採ってきた土筆の下処理その1(はかま取りをして水につける作業まで)
この作業は、つくしを採ってからその当日、遅くて翌日までにやっておきます。
つくしは時間がたつと傷みやすいためです。

とりあえず、ここまではがんばって早めに済ませておきます。

次のつくしをゆでる作業はつくしを採ってきた当日が無理なら、次の日に持ち越しても大丈夫です。

つくしの下処理その2(ゆでて水けを切る作業
熱湯でつくしをさっとゆでて冷水にとることでアクが抜けます。

つくしの下処理その1、はかま取り

採ってきた土筆の中で、傷んでいるもの、黒ずんでいる土筆は使いません。
あるいは傷んだ部分のみ取り除きます。

つくしが採れすぎると、はかまとりも大変。
途中で嫌になるほどですよね。

土筆の下処理、まずは【はかま】をとります。
つくしの【はかま】とは、節についているヒラヒラの茶色っぽい部分です。

一番大変なのは、短くてはかまだらけの土筆
これはもう手でむしるしかない。

はかまの間隔が長い土筆はまだ楽です。

地道にはかまをむしるのが辛くなったら、ハサミで切ってしまいます。

つくしのはかま取り

一番上の頭のついた茎をはかま部分で手で折るように抜き
残ったはかまをハサミでカットします。

画像のつくし、はかまの下に緑の点線、ここをカット。

次の茎もはかま部分で折り、残ったはかまをカット。

ハサミではかまをカット

これなら簡単で指、爪も汚れにくいです。

茎の長い、はかまとはかまの間隔が長い土筆に有効です。

水につける

長いままだと食べにくいので適当に数センチ~5センチくらいの長さに折りながら作業。
はかまをとったものから、水を張ったボウルに入れていきます。

指や爪が黒ずんでしまうのが悲しいけれど。
この作業が終わればほっと一息です。

3回ほど水を替えて、土筆を洗います。
洗うと汚れやごみがボウルの底に落ちてます。

次の作業で土筆をゆでます。
これはアクを抜くためです。

つくしの下処理その2、ゆでる

つくしをゆでる

塩を加えたたっぷりの熱湯でさっとゆでます。
煮立ったお湯の中に土筆をひとつかみ加えてゆでます。
時間にすると20~30秒。(おひたしにする場合は少し長めに)

多い場合は何回かに分けてゆでます。

冷水にとる

ゆでた土筆はすぐにボウルに入れた冷水にとります。(この段階でもアクが抜けます)
生ぬるくなるので数回水をかえます。

ザルにあげ、水気を切ります。

もっと苦味を抜きたいときは。
ゆでたあと冷水につける時間を長くします。
水は何回かかえてください。

つくしをゆでて保存容器へ

ゆでたつくしをすぐに使わない場合。
ふたつきの清潔な保存容器に入れて冷蔵庫で保存

3、4日程度持ちます。
味がついていなくて、傷みやすいのでなるべく早めに使います。

冷凍保存は炒めたりして、味をつけてからがおすすめ。
佃煮や混ぜご飯の素にしておくといつでも食べられます。

マジカルキッチンつくし料理、レシピ数14

ちょっぴりほろ苦い春の味土筆の料理。
定番はやっぱり土筆の卵とじ?

土筆の混ぜご飯やお寿司もおすすめです。
たくさん採れたら、つくしの佃煮で大量消費。

土筆好きな人にまず一番に食べて欲しいのは。
土筆のみの料理。
他の具を入れない料理です。

土筆の佃煮や土筆のナムルで思う存分土筆を堪能。
(どんな食べ物も食べすぎには注意です)

土筆が余り採れなかったときは、料理の飾りとして使ったり。
他の具を入れてかさましするのがいいかもしれません。
えのきや白滝もおすすめ。

定番や和風のつくし料理に飽きたら。
意外とにんにくも合います。
にんにくで炒めたりナムル風でおつまみ風。

つくしのナムル
いつもの和風なつくし料理とは違う、にんにく風味のつくしです。
ゴマやニンニクで味つけ、つくしのナムル。

混ぜご飯の素や土筆の佃煮は、冷凍保存してもいいですよ。
混ぜご飯やお寿司用なら1.5合分や3合分に小分けして冷凍します。

つくしの混ぜご飯の素

土筆の苦みが苦手、マイルドにするおすすめの料理法

土筆ってあの独特のほろ苦さが春の味。
ですが、どうしてもあの苦みが苦手。
でも土筆は食べたいそんな方向けに。

土筆の苦みをマイルドにする料理法を書いてみます。
ゴーヤ料理をマイルドにする方法とも似てますよ。

まず、つくし料理の定番【土筆の卵とじ】でもおなじみ。
を使った料理は、苦味がマイルドになります。
土筆のみの料理よりも、他の具を加えたほうが苦味が気になりません。

肉や魚、ベーコン、ハム、かつお節やだし。
旨味のある食材やたんぱく質の食材と合わせること。
これも苦味をやわらげる作用があります。

あとは、油の力も借りましょう。
特に風味のあるごま油との相性がいいです。

炒めたり、あえ物に加えたり。

ゴマをふるのも有効です。

お肉は豚、牛、鶏肉なんでも合いますよ。
魚はツナ缶、サバ缶等の缶詰でも。

マジカルキッチン料理レシピ

つくしと牛の卵とじ
土筆を使った、春らしい料理、牛と卵で苦味もマイルド。
ご飯のおかずになります。

おすすめは、卵とじよりさらに豪華な【土筆と牛の卵とじ】
牛肉、卵、玉ねぎのおかげで、つくしの苦みがあまり感じられなくなります。

つくしを食べる地域、食べない地域

近年ではつくしを食べる人が少なくなってきたようで。
近所でもつくし採り姿を見かける機会が年々減ってきてます。

つくしを食べる地域、食べない地域と言うのもあるそうで。
北海道、東北では食べる習慣があまりないとのことです。

つくし採りで春の野遊び。
食べて体にいい栄養も取りこんで。
春の体を目覚めさせて。
春を楽しみましょう。