梅干し作り、赤紫蘇下ごしらえ編

梅干しの本漬け用赤紫蘇の下ごしらえ 料理のtips

保存食としても、健康を支える食品としても知られる梅干し。

この色鮮やかな赤い発色の秘密は赤紫蘇にあり。
赤紫蘇に含まれる色素のアントシアニンが梅の酸と反応して発色するものです。
梅にはクエン酸が含まれています。

今日は、自家製の梅干し作りの「赤紫蘇の下ごしらえ」についてお話しします。

赤紫蘇の下ごしらえとは、赤紫蘇を塩でもんでアクを出す作業のことです。

「赤紫蘇の下ごしらえ」は、梅干し作りの2番目の工程
工程1で下漬けした梅から、梅酢が出れば、次は赤紫蘇を下ごしらえし、下ごしらえしたものを下漬けした梅に乗せ本漬け終了です。

土用干しまで置くのですが、ここまでくれば、カビ、傷みの心配も少し減るので、ほっとします。

はじめての手作り梅干は、疑問がいろいろ。
紫蘇の選び方から手順まで詳しくみていきましょう。

梅干し
自家製梅干しの作り方、材料の選び方を丁寧に紹介します。
梅下ごしらえ土用干し。カビを防ぐ方法も。

定番の梅干し作りのレシピになります。

梅干し作りの大まかな手順と時期
  • 5月下旬~6月中旬
    梅の下漬け(塩漬け)

    黄色い熟した梅を購入し下漬け
    梅に塩をまぶし上に重しをかけ梅酢を出す

  • 1週間~10日後くらい
    赤紫蘇の下ごしらえ、本漬け

    梅酢が上がった梅に下ごしらえした赤紫蘇を乗せ、土用干しまでおく

  • 梅雨明け後(7月下旬から8月上旬)
    土用干し

    夏の土用、晴天が3日続く日を選び天日で梅を干す

梅干し作りQ&A
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梅干し作り、赤紫蘇下ごしらえの動画

赤紫蘇の下ごしらえと本漬けの作業だけピックアップした動画です。

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赤紫蘇を梅干しに加える理由

梅干

赤紫蘇を入れなければ梅干しは作れないかというと。
「白梅干し」と呼ばれる梅干しもあります。

おなじみの赤い梅干し、あの色は赤紫蘇の色。
見ていると元気になれるような赤い色、ご飯のアクセントにもなりますね。

梅干しに赤紫蘇を加える理由は?

1.見た目、2.風味のため

味や香りにさわやかさが加わります。
紫蘇の香りっていいですよね。
また赤い色は食卓に彩りを加えます。

3. 梅干しの保存性を高めるため

赤紫蘇に含まれる「ペリルアルデヒド」という成分は、強力な抗菌作用と防腐効果を持っています。
この効果により、梅干しの保存性が高まります。

材料は赤紫蘇と塩

赤紫蘇と塩

梅干し1キロの赤紫蘇の分量

  • 赤紫蘇の葉 ・・・1~2束(正味約140g)
  • 塩(赤紫蘇の重量の10%) ・・・大さじ1(約15g)
  • 白梅酢 ・・・約40ml

白梅酢は、梅を塩で漬けたときに出る酸味のある液体で梅酢と呼ばれます。

赤紫蘇の下ごしらえ手順

2回にわけて、塩を振って揉んでしぼります。

梅干しの赤紫蘇の下ごしらえ手順
  • 手順1
    赤紫蘇を選ぶ

    濃い赤紫色の葉を選ぶ

  • 手順2
    葉を洗う

    葉を摘み、汚れを落とすため、大きなボウルで赤紫蘇を何回か水で洗う

  • 手順3
    水けを切る

    ザルにあげ、さらに盆ざるに広げて水けを切る

  • 手順4
    塩でもむ

    赤紫蘇に塩の半量をしっかりと揉む

  • 手順5
    アクを絞る

    赤紫蘇は、丸めて赤紫蘇から出たアクの液をきつく絞る(赤黒い汁(アク)は捨てる)

  • 手順6
    再度塩でもむ

    赤紫蘇をほぐし、残りの塩で同様にもむ

  • 手順7
    絞って丸める

    しっかりとアクを絞り、おにぎりくらいの大きさに丸める

それでは詳しく見ていきましょう。

紫蘇は傷みやすいので購入後、なるべく当日に作業します。

購入した赤紫蘇の束

その時により束がよくて大きかったり、普通だったりします。

赤紫蘇と塩

赤紫蘇は葉を1枚ずつ摘み取ります。
太い茎(軸)は入れないようにします。

赤紫蘇の葉を洗う

紫蘇は汚れがついているので水を何回か変えて洗います。
ボウルの底に汚れがたまるので、ボウルもその都度洗います。

ザルにあげ、さらに盆ざるに広げて水けを切ります。

赤紫蘇の塩もみ

いよいよ、赤紫蘇の葉を塩もみします。
調理用の手袋をしたりアルコール消毒をした手で作業。

赤紫蘇をボウルに移し塩を半量ふり、もみこみます。
紫蘇をもむ作業は、しっかりと。

次第にしんなりしてきて、汁気がでてきます。
汁気がたっぷり出たら、丸めてしっかりと絞ります。
(量が多い場合は、何個かに分けて丸めて絞る)

塩もみしてアクの液を絞る

汁はアク、捨てます。

2回目の塩もみ。
赤紫蘇をボウルに入れて残りの塩を加えしっかりともみこみます。
丸めてしっかりと絞ります。

量が多い(梅2キロ、赤紫蘇倍)場合は、2等分し、それぞれ丸め、水気を絞ります。

水気があるとカビの原因になるのでしっかり絞ります

下ごしらえが完成した赤紫蘇

おにぎりくらいの塊ができて、赤紫蘇の下ごしらえ完了。

梅2キロ分なら材料は倍。
丸めやすいように2個に分けて丸めて絞ります。

これで下ごしらえ終了です。

下ごしらえが終われば、きれいなボウルに紫蘇を入れ白梅酢を分量、回しかけます。
菜箸で紫蘇をほぐします。
きれいな色が出ます。

コツは雑菌防止に気をつけること
しっかりともみ、液を絞る時もきつめに絞ること

赤紫蘇を下漬けした梅に加えるタイミング

下漬けした梅に下ごしらえした赤紫蘇を乗せる工程を本漬けと言います。
梅を下漬けしてから1週間から10日たった頃になります。

赤紫蘇が店に並ぶのは、完熟梅が出回りはじめて、少したったころです。
地域によって差がありますが、6月中旬から7月上旬になります。

下漬けの梅から梅酢が上がれば、なるべく早めに紫蘇を入れたほうがカビの心配が減ります。

梅干しの本漬けの図

赤紫蘇を入れる
梅干し本漬け

梅酢が上がった梅に下ごしらえした赤紫蘇を加えて土用干しまで漬けておくのが本漬けです。

赤紫蘇について

購入した赤紫蘇の束

まずは赤紫蘇選びから。
濃い赤紫色の葉っぱを見つけたら、それが正解!

もう一つのチェックポイントは、葉が細かく縮れているもの。

緑がかっていて、縮れていない葉は、梅干しにあの鮮やかな赤色が出ないんですよ。

そして、梅干しの色を濃い目に赤く出したいなら、少し多めに赤紫蘇を使うのがコツです。

赤紫蘇は出回るのがほんの短い、その時期ならではの品です。
初夏になると、スーパーの野菜売り場でチラホラ見かけます。

地元密着型の小型の食品スーパーのほうが見つけやすいかもしれません。
地元農家さんが持ってくる産直コーナーに置いてあることもあります。

あとは、産直市場もおすすめです。
季節には、新鮮な葉が手に入ります。

「でも、赤紫蘇の葉を自分で育てたい!」って方には、自宅での栽培がおすすめです。
意外と簡単で、種がこぼれると、次の年も勝手に芽を出してくれますよ。

ただし、早めに育て始めないと、梅干し作りに間に合いません。

ちなみにマジカルキッチンの赤紫蘇は毎年、砂利の間から芽を出します。
ド根性、赤紫蘇。
でも、なかなか育たないので、梅干し作りには間に合ってくれません。

赤紫蘇が余ったら、紫蘇ジュース作りもおすすめです。

赤紫蘇ジュース
赤紫蘇で作る目に鮮やか、体にヘルシーな自家製ドリンク。
材料は紫蘇、酢、砂糖、シンプルな作り方を紹介します。

市販のもみ紫蘇について

市販のモミ紫蘇

赤紫蘇が見つからない時は、市販のもみ赤紫蘇のパックを使ってます。
最近はもっぱら市販品活用です。

これも季節になると、野菜売り場や季節の保存食コーナーに置いてあります。

特に失敗なく漬かります。

いろいろ試してみると、葉が細かいもの、普通のものがありました。

あとは色づき。
漬けたものを見ると、商品によって、微妙に色が違って、濃いもの、少し薄めのものがあります。

市販のもみ赤紫蘇、漬けた後のふりかけ作りも、普通にできます。

漬け終わった赤紫蘇でふりかけ

漬け終わった赤紫蘇でふりかけ。
乾燥させ細かくして、赤紫蘇ふりかけを作ることができます。
あの、ゆかりふりかけです。

赤紫蘇ふりかけ(梅干しを漬けた紫蘇で作る)
梅干に入れた赤紫蘇があるなら、絶対作るこのふりかけ。

赤梅酢の魅力と活用法

赤紫蘇を入れた梅酢は、赤いきれいな梅酢になります。
塩気と酸味があるので、普段の料理の調味料に、また漬物作りに使えます。

酢の物やドレッシングに

酢の物やドレッシングに赤梅酢を使うと、さっぱりとした酸味と梅の風味が料理を引き立てます。

ドレッシングとして使うほか、サラダや酢の物を作る際に、赤梅酢を使って下ごしらえをすると、料理の味わいが格段にアップします。

下味として少々ふりかけます。

自家製紅しょうが

生姜と赤梅酢を組み合わせて自家製紅しょうを作ることができます。
手作りの紅しょうがは、優しい紅色です。

紅しょうが
自家製の紅しょうが、余分なものが入らずに使える安心感。
新生姜を使って赤梅酢に漬けこんで作ります。

みょうがの赤梅酢漬け

みょうがを赤梅酢で漬けると、色がより鮮やかになります。
みょうがの爽やかな香りと、梅の酸味が絶妙にマッチします。

みょうがの梅酢漬け
赤梅酢でみょうがを漬けると。
赤色濃く鮮やかに。夏の上級薬味。