『料理書のデザイン』
今知っておきたい100冊”おいしさ”を伝える見せ方とアイディア
COOK COOP 鈴木めぐみ 編
誠文堂新光社
料理書100冊を主にデザインの面に注目して解説しています。
本は古めのものから新しいものまで登場。
見てもきれいな、魅力的な料理本の数々です。
最近の本では、ブログが書籍化されたような本も紹介されています。
また古めの料理本でも、しっかりとした作りの本は、デザイン、コンセプトに普遍性があって、今見ても古臭くないんですね。
本を見ながら、だからあの料理本は美味しそうなんだとか。
わかりやすいのかとか、読んで納得する場面もありました。
魅力的な料理本は、作り手側の工夫、情熱があってのことなんですね。
デザインの普遍性、著者の世界観に寄り添う、プロセス写真で魅せる、実用を伝えるデザイン、読み物としてのデザイン
実用を伝えるデザインで出てきた「サンドイッチ教本」
そういえばサンドイッチの写真がきれいで、次々載っていて楽しい本でした。
実用系でシンプルだけど、見飽きません。
編集者さん、出版社へのインタビューもあります。
料理本の裏話的なエピソードとしても読めるので楽しかったです。
この本のデザイン自体は、いまいち文字が小さくて見づらいのが気になってしまいましたが。(ハズキルーペのコマーシャルを思い出してしまった)
最近、料理本やレシピ本、買ってますか?
近頃は料理を作る際に、スマホやPCなどネットでレシピを検索して済ませる人が多いそうです。
料理本が売れない時代なんだとか。
確かに料理の作り方だけならばネットやブログで間に合うけれど。
それでも、本ならではの良さってありますね。
『料理書のデザイン』 を読んで改めて思ったのが、料理本って贅沢品なんだと言うこと。
レシピを書く著者がいて編集者がかかわって、写真家がいて。
さらに本のデザインに関わる人もいて。
何人ものスタッフが作り上げるもの。
料理本には、レシピのタイトル、キャッチコピー的な短い文章があったり。
著者の思いを伝える文章もあります。
もちろん一番大事なのは材料と作り方。
作り方の写真や出来上がりの料理の写真も料理本では大事なものです。
それらをいかにデザインして、一つの本にしていくか。
作る料理本のコンセプトに合わせて、書体、文字の大きさを選んでいく。
本に使う紙の選び方一つでもこだわりがあるんです。
台所で本を開いたときのみやすさにこだわった本も。
正直、今までそこまで意識して料理本を読んだことはありませんでした。
私が料理本を読んで、いいなと思うのは。
本を読んでいる間、そしてその後しばらく。
本全体に流れる空気感が味わえること。
伝わってくるのは、おいしさだったり、本によっては外国の風景だったり。
シンプルで知的な教科書みたいなわかりやすいレシピ本も好きだし。
のんびりした休日の食事を感じ取ったりするのも楽しい。
デザインよしあしで本のコンセプト、レシピのわかりやすさ。
空気感の伝わり具合も違ってくる面白さを今回感じました。
今度料理本を見るときは、デザイン面にも注目してみます。